三原町にある「ゆずるはダム」は、ほたるの名所。6月中旬になると、数え切れない
ほどのほたるが夜空を乱舞する。この光景を見る限り、三原町のほたるがかつて絶滅
の危機に瀕していたことを想像するのは難しい。そのホタルを長年にわたって飼育し、甦らせたのが、山形和子先生と三原中学理科部 の生徒たちだ。ほたるの飼育には、地道で気長な努力が必要とされるという。
幼虫は自分の体に合った大きさのカワニナ(貝)を餌にするが、大きなカワニナしか
ない場合には、小さく切ってあげなくてはならない。この作業がたいへんだ。とにか
く、とても「くさい」らしい。理科部員のみんなはそれに耐えてほたるの世話をして
いるのだそうだ。
大変なのは「におい」だけではない。ほたるはきれいな水の中でしか育たない。水槽
で飼っているほたるを死なせないためには、水の交換が欠かせない。8月の暑い時期
、夏休みにもかかわらず、一日6時間もかけて、まだ小さな幼虫をスポイドで吸い取
り、一匹ずつ新しい水の入った水槽に移しかえるのだ。
苦労して育てたほたるが羽化し、ゆずるはダムの夜空をとんだとき、それまでの努力 は報われる。満天の星空に無数のほたるが舞う光景は、すべての人を魅了し、言葉も 出なくなるほどの美しさだ。
ほたるもきれいな星空も見たことがないという都会の方々は、山形先生と理科部員の みんなに感謝しながら、ぜひ、たった2週間のはかない夢の共演をその目で確かめて みてほしい。
三原中学理科部:藤井一豊くん・小川恭介くん・榎本雅士くん・土居隆司くん・中尾友康くん・近藤亮司くん・大野慶太くん・武田濃人くん・中生厚司くん。