淡路島の伝統的な地場産業のひとつが、瓦である。瓦といえば屋根の上にのっているいるものだが、山田さんは瓦を地面に敷く「敷き瓦」の職人である。
僕たちの大学のそばの「藤沢市湘南台文化センター」の敷地も、山田さんの「敷き瓦
」がしかれているときいて驚いた。山田さんちでは、お茶碗のコースターまで瓦だっ
た。テーブルには、いぶし銀の瓦の皿にのせられた淡路島のオレンジがおいしそうに光
っていた。
なぜカメラからカワラだったのか。山田さんは、「土にこだわる仕事をしたかったか
ら、40になったら土を焼く仕事につこうと思っていた」という。この「土にこだわ
る」ということが、山田さんを淡路島に結びつけたらしい。
山田さんの家は高台に立っている。森の向こうの瀬戸内海を見ながら、「これがう
ちの庭で、あれがうちの池なんだよ」と笑いながら言った。
自称淡路瓦の宣伝マンの山田さんは、全国の現場と淡路島を忙しく往復する。日本ま
でも自分の庭にしてしまいそうなスケールの大きな人だった。